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お茶のこ彩々別館・古代史・神社のお話

日本の裏古代史(主に縄文~古墳時代。上古代の重要文献『ホツマツタヱ』)勉強中の一般人が、勉強で感じたことや神社を参拝した際の感想などを載せていこうと思います

古代エジプト文明社会の形成(2006)

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エジプト文明の黎明期の古い時代にスポットを当てています。

旧石器時代終了~古王朝(第一王朝BC3100-2900年)が始まる間に当たる
ナカダ文化Ⅰ期からⅢ期(BC4000-3150年)には
エジプト文明の代表の事象・身分差や産業がほぼ出そろっている、
ということを重視しています。

ナカダ」という名前がまず気になりますよね。
アフリカ系の言葉由来なのかと思いますが、
日本語にはアフリカから渡来した
旧石器人の言葉が残っていることを示しているのかも。

3000年に渡って文化様式を守っていたのは驚きですが、
大きな外圧がまだない時代だったということもあるんでしょうね。
壁画などの型式が一定なのは、人物の頭身比率や顔や体の向きを定めた
グリッドに沿って作成したからというのも興味深いです。

芸術家というより職人的な徒弟制の集団、身分はあまり高くなかったとされているそうです。
美術の目的は観賞するためではなく「存在させる」ためである:
例えば王墓の壁画に従者を描くことによってその者たちを
王のために「存在させる」という効果を狙ったということ。
ホログラム的な概念かもしれませんね。

エジプト文明の象徴:ピラミッドは古王国時代の第三王朝(BC2700-2600年)に発達し、
第四王朝でピークに。第五王朝(BC2500-2350年)には衰退する
エジプトといえばピラミッドですが、5000年前の建造物と言われる割には
ローマの頃までエジプトは存在していて(ハリウッド映画系で見かける)
新しい時代はどうしていたのかぼんやり疑問に思っていたんですが
書籍を見るとはっきりしてきますね。

初期は長方形の「マスタバ墓」の高さをだんだん積み上げ、
試行錯誤しながら三角形を作り上げた。
そのため形式が固まるまで階段状だったり、途中で角度が変わる屈折ピラミッドもある。
地方に小型のピラミッドを作るのは中央集権のモニュメントとしての役割。
やはり古墳と似てるところがありますね。

隆盛した時期は中央集権体制がうまくいっていたことの反映であり、
衰退期は国力の衰退というよりはほかの形の太陽崇拝に移行していったため
とみられているとのこと。
ピラミッド本体の労働は奴隷を使って行われていたイメージがありますが
本書籍には奴隷のことには言及がありませんでした。

エジプト王は上エジプト(ナイル川流域)と下エジプト(デルタ地帯)という
2大地域をまとめる(デュアリズム)役割がある。
白冠と赤冠は上下エジプトをそれぞれ象徴、
エンタメ系でよく見る王の持つ2本の杖の意味もわかります。
家畜をコントロールする杖と、農業をつかさどる杖なんですね。
ちなみに縞の頭巾は第四王朝から。

一枚布を巻き付ける衣服を「キルト」と呼ぶのですね。
現在はスコットランド独自の文化と思われていますがエジプトが元ネタだったん
だなと分かりました。
日本語の「着る」と通じますし古代文明の世界的なつながりを感じますね。

紋章にみられる一番古い王の象徴はホルス(ハヤブサ)ですがセト(山犬)信仰も強く、
第二王朝で2つの勢力のぶつかり合いが起きたとみられるそうです。
獣頭人身のスタイルはもとは自然や動物を神としての崇拝対象としていたものが、
人間型の神を崇拝する形に移行してきた第二王朝ころから出てくるそうです。

土器の様式や牧畜、文字の使用など隣接するメソポタミアの影響を多く受けています。
しかしDNAの分析などから大人数の移住はないとみられているそうです。
王族が変わっても国家を継続できたことも特徴、アジア系王族もいるとのことで
もっと詳しいDNAの話も知りたいですね^^

基本は隅丸長方形の半地下住居に住んでいたというのは竪穴住居が
ベースになっていると思われますね。
その後環境に合わせ、日乾レンガを用いた部屋を自由に作りやすい建物が
増えていったとのこと。

そしてエジプト文明の代名詞的なミイラも、乾いた環境で埋葬すると
自然にミイラになりやすいことから慣習や技術が生まれたと見られています。
死とは体から生命力(カー)が離れてしまった状態であり、
その魂がいつか戻ってくるためにミイラにして保存したという死生観です。
これはキリスト教の最後の審判まで遺体保存する概念とに似たタイプ、元ネタの一つかな。
一般人はミイラにするわけではないのでまた違った概念があったのかもしれませんが。

「ホツマツタヱ」の場合タマ(宇宙の中心=アモトから下される個性や意識)と
シヰ(地球から生み出される肉体)を分けて、シヰは借り物であり、
死を迎えるとタマはアモトに還りまた別のシヰと繋がり生まれ変わる準備をするという、
輪廻転生の死生観ですね。自分は断然後者がいいですね^^

表音文字は絵文字より後発で、ほかの書き文字から借りて作ったものが多い。
例:アルファベットやアラビア語
ヒエログリフは独自に象形文字から発達したもの。
扱いが難しいだけに初期の使用者は特権階級に限定されたとのこと。

エジプトのリアルな考古学の情報がいろいろわかる良い書籍でした。


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プロフィール

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茶人(別HN:さいおん南)
性別:
女性
自己紹介:
2019年までは普通のアニメ映画好き。この数年で一気に裏情報を知った者です。一応歴史を専攻していましたがそれまではそこそこ。裏古代史を知って俄然やる気が出てきて、人生史上一番本を読んでます

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