調布市と埋蔵文化財センター共催の講演会です。
翌週の埋文講演会をキャンセルしてしまったので、
埋文のパンフが結構いただけてちょうどよかったです。
現在進行形の研究の最新情報という感じで
とてもマニアックなお話を聞けたと思います。
縄文時代晩期から近世まで続く集落で、
メガ団地域の再整備にあたっての調査で弥生時代の遺構が発見されました。
それまで調布では弥生時代の遺跡がなかったということで大発見ですね。
講演会に先だって郷土博物館を観覧しましたが、
確かに弥生時代の遺物の展示がないのは気になりました。
ほかの遺跡でもあるケースですが
弥生時代は縄文時代と使用する場所が異なってくるということで
前・中期遺跡がなく後期に出てきたりすることもあるようですね。
28日からだったので弥生の遺物は見ることができませんでしたが、
そのうち常設展に追加されますね^^
それぞれの郷土博物館で力を入れている展示が違いますね。
こちらでは
墨書土器に力を入れていると思いました。
漢字というより記号ですね。ご担当者は古代文字に注目しているのかも。
講演会では土器の型式の細かい紹介がありました。
炉・かまどの形式もいろいろあり、
3足式の炉は東海からもたらされたとみられます。
古墳時代はかまどが普及すると調理方法が変わると見られています。
縄文時代以来土器でスープ類を作っていたとされるが
かまどは土器が作り付けになるため、
米を蒸すか菜をゆでる程度だったのではとのこと。
また全国60点・都内3例目という珍しい小銅鐸(赤銅製)も出土しています。
また、古墳時代中期に起きた大地震で集落の北側が廃絶した事象に注目しています。
建物がどのように崩れたかを、柱の沈み込みで分析。
家の溝が引っ張られている様子からも
力の加わり方が予想できるようです。
沈み込んだ柱は4本で、広葉樹と針葉樹すべて種類が違います
(それも研究材料・再利用か?)
広葉樹は沈み込まず礫層にぶつかって柱のほうが曲がる。
一方針葉樹は礫層を突き抜けて沈み込むそうです。
また、全面が土で重い屋根だったものが、
震災後は上半分を草葺にする手法を取り入れたそうです。
しかし100年超経って忘れたころにはまた土屋根に戻るとのこと。
震災で壊れたと思われる家屋から、おそらく必要な土器類は持っていかれています。
また、北側に震災の犠牲者と思われる墓が2基作られているのも注目。